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先史時代のミクロネシアとメラネシアの地域間交流に関する論文の出版
先史時代のミクロネシアとメラネシアの地域間交流に関する論文の出版
2023.4.14
出版情報日本語
先史時代のミクロネシアとメラネシアの地域間交流に関する論文の出版
プロジェクトメンバーの長岡拓也氏らによる先史時代のミクロネシアとメラネシアの地域間交流に関する英文の論文が、『Waka Kuaka: The Journal of the Polynesian Society』に掲載されました。
Waka Kuaka: The Journal of the Polynesian Society
この論文は、ミクロネシア連邦カピンガマランギ環礁でタロ田拡張中に偶然見つかった黒曜石製尖頭器の産地を同定するために行われた地質化学的な分析の結果を報告し、考古学・言語学・民族学・遺伝学を用いた学際的な分析にもとづき紀元後2千年紀前半(紀元後1000~1500年)のミクロネシアとメラネシアの地域間交流に関して論じました。西太平洋でのアドミラルティ諸島産の黒曜石の分布(ポーンペイ、ヌクオロ、カピンガマランギなど)から、東ポリネシアの植民と関連した可能性がある、この時期のポリネシア人の移動の活発化によって出現したミクロネシアとメラネシアのポリネシア離島が、この地域間交流の橋渡し的な役割を担ったと考えられる。またこの交流にポーンペイ島のナンマトル遺跡を政治宗教の拠点としたシャウテレウル王朝が影響を及ぼしたと論じました。また長岡氏らが、この成果をミクロネシアの人々に紹介するために寄稿した記事も地元の新聞である『The Kaselehlie Press』に掲載されました。
The Kaselehlie Press