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海域アジア・オセアニア研究プロジェクト 国立民族学博物館拠点(中心拠点)
国立民族学博物館拠点を中心とする四つの拠点ネットワークでプロジェクトを推進しています。 本プロジェクトは、陸域に基づく国家や東アジアや東南アジア、オセアニアといった従来の地域概念によって分断されがちな地域研究ではなく、海域という視点を強調することで、東アジアや東南アジア、さらにはオセアニアといった複数の地域を同時に対象とする新たな地域研究の実践を目ざします。本研究は「海域世界における島嶼環境と人類による文化・社会間の変容動態の探究」という共通目的の下に、(1)対象地域を「オーストロネシア」語族圏としての基層文化的な共通性が根底にあることを認識しつつ、(2) 現代における海域アジアからオセアニアにおけるヒトやモノ、情報をめぐる越境的な動き・ネットワークに関わる総合的な把握を試みます。
この海域における開発の波は、人びとの生業を大きく変化させ、多くの文化遺産の破壊にも直結しているほか、地域社会の伝統や文化変容にも大きな影響を与えつつあります。国立民族学博物館拠点は、島嶼世界で進むインフラ開発や資源開発に対し、その影響を直に受ける(1)農業や漁業といった生業活動の変化やその動態に注目するほか、(2)開発による影響を直接的に受ける遺跡や文化遺産の保護や観光資源化の問題、(3)グローバル化や開発への抵抗としても活発化する文化復興やアイデンティティの再認識化といった動きについて、その歴史的動態と現状を明らかにします。